一人住まいのお母さんが亡くなって、生まれ育った元自宅が空き家となる、今後どんどん増えそうな事例ですね。普通に相続すれば自分のものにはなりますが、『使う予定が全くないのに相続しても・・・』というのが正直なところではないでしょうか。
そうした悩みをお持ちの方の背中を押してくれるのが「相続した空き家の譲渡所得の3000万円控除の特例」です。極めて簡略化して説明すると、通常なら1000万円で取得した土地が2500万円で売れたら、差益の1500万円に対して譲渡税がかかるのですが、一定の要件をクリアした相続空き家なら3000万円まで非課税扱いなのです。
多くの地方都市が地価の長期下落に悩んでいる現状では、こんなに利益が出ることはごく稀のように思われるかもしれません。しかし、通常上記のようなケースでは、先祖代々引き継がれた土地の上に家を建てているでしょうから、買った時の値段など分かりません。そのような場合には売った時の値段の5%で評価します。つまり差額の95%が利益になるわけですから、この特例を使えるのは非常に大きいですね。
さてこの特例ですが、使える期間には一定の制限が設けられています。詳しくは以下のリンク先でご確認いただきたいのですが、今年の1月1日以降に相続が発生した方は、平成31年12月31日までに譲渡しないといけない、そうお考えいただければOKです。
実際に売りに出してからすぐに買い手がつく、そんなことは余程のことでもない限りありえないので、早めに決断された方が良いと思います。売るためにリフォームしたり、土地の測量をしたり、そんなことをしているとあっという間に半年くらい経過してしまいますので、併せてご注意下さい。なお旧い家屋で耐震性に?がつくなら、更地化して売ることも可能です。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000030.html